渓 流 随 想 (九)

宝川、その名のごとき渓流

水が綺麗な事は渓流釣りの魅力の大きな要素と思う、た
とえ魚影が薄くとも重要だと思う。

そのてん、宝川はその要素を満たしている、温泉の上流
へ行けば実に綺麗な流れだしそして魚影が薄いことまで
も当たっているかも知れない。?

        参考写真

1976年九月九日
とき一号で水上駅着8時33分、当日は付近の本流と支流
を釣るがハヤとカジカだった。
民宿 雲見荘に宿をとる、一泊2.600円。翌朝は粟沢に
入り、小型のアタリだけを一回確かめて宝川行きのバスに
乗った。

温泉の脇を通り抜けて川を覗くと青く澄んだ清冽な流れが
見えたが、そこでは全くアタリなく隋道をくぐって一路上流
を目指す。
2時間近くも歩いたろうか、吊橋に出た。

吊橋下の落ち込み下手にイワナが見える、真っ白の泡以外
はすべてが丸見えである。
イクラをセットして流したが反応が無い、そこで思い出したの
がイクラの噴き釣り。

      参考写真

イクラを口に含んでポイント上手に吹き飛ばして寄せ、そこ
にイクラの仕掛けを流す・・・一発で釣れた。
この釣り方はイクラならでわ、川虫やヤナギ虫じゃやる気に
なりまりません。・・・キジ!”*#*

そこから釣り下って滝の下手に、背丈ほどの大石に囲まれ
たポイントでの22cmイワナが最大だ。そのほか小型と合わ
せ四匹が本日の釣果だが、渓流2年生にはそれでも嬉かっ
たと思われる。

その後に読んだ本に「イクラは共食いを誘発する」 とあり、
なるほど可能性を危惧してイクラ餌はやめた。
]
四年後に入渓してほぼ同じ個所を探ると、イワナのポイント
で25cmほどのヤマメが2匹釣れた。
放流ヤマメに岩魚は追いやられたらしい。

てくてくと歩いて温泉まで一時間、温泉下流のようすを見な
がらさらに小一時間歩いてバス停へ。
薄暗くなったがバスは来ない、こころ細くなってきたところへ
軽トラが来た。「バス終わっとるぞ」・・・「下のバス停まで乗せ
るから後ろへ乗りな」、二人で乗っていたので幌のかかった
荷台に乗せてもらった。

          参考イメージ

しばらく走って軽トラが止まり、幌から首を出すと暗い物置兼
用車庫である。私を乗せたまま自宅まで帰ってしまったのだ。
二人は降りて車庫から出ようとする、「すいません・バスは?」
「アッ・忘れた」軽トラは急いでバス停へ向かってまた走り出し
たのでした。

そのままになってしまいましたがご親切にありがとう御座いま
した。

   **おわび この時の写真は無いので参考写真です**

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