漆沢は宮城県鳴瀬川の上流にある。 最初に行ったのは82年7月29日、仙台の知人から 好漁の上に尺岩魚を釣ったと言うニュースに釣られ て?すぐに駆けつけたが、先ずは坊主に終わった。 釣られた直後では釣れないのが当然ではある。 しかしそれから89年まで毎年のように出かけるお気 に入りの渓となり、86年には朝日沢で初の尺岩魚を 手にする事が出来た。 養魚場出現? 96年9月、四年ぶりの漆沢ダム。ダムは両側に林道 が付いているが、進行左側の方が道が良いと言う事 で何時も左側を使っていた。 この日は工事中で初めて右側からダムを迂回する事 に成ったのだが・・・。 |
バックウオーター付近の道路脇で何やら工事中だ、本 流に架かる橋の手前で渓沿いに入るとすぐの所に真 新しい養魚場が出来ているではないか。 車を止める場所も無い、あまりの変わり様に驚いてし まって悲しくってそのまま引き返してしまったのだった。 翌97年6月 何とかして漆沢上流へ入りたいと、直接入る迂回路を 探しに行く。隣の川の林道からの迂回路を見つけ、や っと降り口に繋がる車止めに着いた時はすでに昼を過 ぎていた。 小さな沢沿いにどんどん下りる、小沢は藪に消えたが とにかく降りる。かなりの藪こぎにめげず、ようやく降り 立った渓が夕日沢で有る事に間違いは無い。 本命の朝日沢は明日の予定とし、今日はここで釣る。 3時を回って釣れたのは二匹だけだった。 ゴミが多く場荒れしているが、早めに引き上げて明日 の朝日沢に備えよう。 |
しかし下りるのと違い道の無い藪の中、車に戻れる かどうか心配だった。 とにかく左から来る小沢を登れば踏み跡が見つかる だろうと歩き出したが、登りがだんだんきつくなり足 が痛くなってくる。 かなり登ったが案の定踏跡は見つからず諦めて戻る しかない、下りは更にきつく両膝がきしむ。 しばらく休んで少し歩く・又休む・・・、 やっと出会いまで戻ったが夜が迫っていた。 ここで朝を待つしかない、無理をして怪我でもしたら 一大事と大木の下にしゃがみ込み、両足をマッサー ジしながら明日に備えた。 カッパを着込んでも渓の夜は寒く、つい時計を何度も 見るが何時も30分以上進んでいることがない。 「こんな時、熊でも出たら」一瞬よぎった思いに強く首 を振った、林道の車止めで私を待つ愛車CR-Vが恋 しい・・・長い夜だ。 |
明るくなるのを待ちかねて歩き始めたのが4時、何と か車にたどり着くのに4時間も掛かってしまった。 翌98年にパソコンを購入、早速インターネットで渓流 関係を見て回る内に 「菊池工房、宮城県の渓流」 を見つける。 鳴瀬川水系が詳しく紹介されていたが漆沢の養魚場 が出てこないのだ、私はその養魚場の為に夕日沢へ 迷い込んだのだから。 質問をさせてもらったところ、こともなげに「養魚場は 隣の唐府沢です」との返信。 ・・・、私の勘違いだった。 養魚場が新しかった事、久しぶりだった事。 さらに初めてダム右側を回った為に先に出会う唐府沢 をうっかりし、「漆沢に養魚場」と思いこんでしまったの だ。 (修正03 3/11) |