奥只見高石沢、ヤマメとイワナと泥棒と 恋ノ岐には幾度も通ったがいかにも遠い、タコには近い。 (冗談を言っているばあいではない) そこで御池から峠を越えてすぐの只見川支流を探索するこ とにした。 1996年 8月7日前夜に出発、この年の六月にも恋ノ岐狙いで出か けたのだが、只見本流の船着場が通行止めだった。 未だに通行止めの可能性もあるし未知の渓もよかろうと、 峠を下りきらない内の脇を流れるトクサ沢の調査に当たる 事に。 カーブ付近に設けてある待避場所の脇に、他の車の邪魔 にならない駐車スペースがあったのでCRVを止める。 藪を掻き分けて渓に出たが沢が小さく、砂が多くて見込み は薄いと判断した。 ![]() 隣に高石沢がありそれに入るためには一旦下って本流か ら登る、地図でもこちらの方が水量多く期待が持てそうに 思えた。 谷が浅いので日が差すから明るく、以外に渓相も良い。 最初はチビイワナをリリースしたが少し上ると0cm弱のヤ マメが三匹釣れた、いずれも落ち込みの白泡脇だ。 上流ではやはり20cm程度だがイワナを二匹、初めての渓 でこれは嬉しい大漁だ。 型には不満足だがヤマメとイワナ両方が釣れると嬉しくなっ てしまう、豊かな自然に出会えたような気がしてしまう。 釣り場の選択がうまくいったので、とても良い気分で引き上 げる。車に戻り釣り支度をとく、バカ長を使ったから履物を 変えてベストを脱げば完了だ。 グローブボックスから財布とタバコを出してポケットへ、桧枝 岐でそばを食べてから帰る事にする。 走り出して何かしら何時もと違う音がする、気になる風切音 が聞こえ、左を振り向くと後ろドアの三角ウインドが割れて いた。 ![]() 車が跳ねた小石が当ったのだろうかと考えながらそのまま 走らせ、桧枝岐のやなぎやでとにかくざるそばをズルズル。 まだ気が付いていないのである、車上荒らしなど思いもよ らなかったのだ。 800円也をお払いしようと財布を開けるとお札が無い、一緒 に入っていた免許証やクレジットカードはそのままだが二万 円以上入っていたはずの札だけが無い。 釣りをしている間にガラスを割り現金だけを盗む、なんと卑 劣な奴が居たものだ。 普通は退避場所に止めても車の往来があるからそう被害 に遭うことは無いと思うが、この時は図のようなスペースに 車を入れた。 長時間止める事になると思い、他車の邪魔にならない良い スペースだと思ってしまったのだ。 ![]() そこが奴らの思う壺、釣り人が止めた車の前に奴らが車 を止めれば他の通行者からは見えなくなる。ちょっとした 気使いが仇になってしまった。 やなぎやさんには訳を話し、免許証とガラスの割れた車を 見せて代金をあとで送らせてもらう事にした。舘岩村で派 出所に届けようとしたがあいにく誰も居ない、暫く待ったが 誰も来ない。 ヤマメとイワナに遇えた喜びなど何処へやら、悔しいやる せない気持ちで帰るしかなかった。 記2000 12/28 随想記メニュー |