渓 流 随 想 (二十六)

裏磐梯の穴場、唐松川

この渓流をなぜ知ったのか覚えていなかった、おそらく
釣り雑誌にでも紹介されていたのだろうと。
しかしこの文章を書きながら思い返している内にどうに
か思い出した。

当時はすでに雑誌の情報は当てにならないと思ってい
て、地図から秋元湖に流れ込む中津川に目を付けたの
だった。
今見返しても道路地図で見る限りは、人家の無い深く
魅力的な渓に映るはず。

     秋元湖1989.6/1撮影

1985年五月 秋元湖のへりをくねくねと行き、奥へ突き
進むと中津川の林道に入る。
本流の橋を渡り支流を越えた所で中津川を覗くと、ゆる
くて浅いダラダラ川だ。上流への登山道が有るらしいが
見つからず、うろうろしている内に昼になってしまった。

やむなく本流をあきらめ支流の唐松川へ入る事にしたが、
ここまで来れば誰でも入りそうで期待薄。
だが「だが」とか「しかし」は否定てきに使われる、しかし
この場合「期待薄」を否定したのだ、珍しく。

で・「だが」、わずか1.5kmほどの間で20cm〜24cm
のイワナが5匹も釣れたのでした。

      6/1 増水の中津川、中央で支流が入っている
       (写真中央で右から流入している)

気を良くして六月に再訪すると、さすがに型が落ちたが
三匹が釣れてくれた。
翌年は九月に四匹、それから3年目の1989年にまたま
た四匹と行くたびに釣れる貴重な穴場となる。
握り飯を食べている間の置き竿に、26cmが食いついて
いた事もあった。

そしてまた3年後の九月に釣友を連れての入渓、だがし
かし。今度の「だがしかし」は普通の否定系、ふたり共に
魚影すら・アタリすら無い丸坊主、どうしちゃったんだ?。

それから2年間そんなわけないと、そう二年間も寝かせ我
慢して1994年の一番好い時期六月一日。リベンジを果た
すべく朝もやを突いての出撃は、あえなく玉砕。/*#>!

あれから今年2000年で六年目が過ぎた、その後どーなっ
てんだろー、来シーズンは尋ねてみようか。

どなたか入渓していませんか?。

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