渓 流 随 想 (二十)

阿武隈川上流 本谷

比較的最近の初入渓だった、1995年7月 魚の情報
は知らぬまま白河高原へ。
289号線は甲子峠で途切れており、急坂を降りると渓
添いの旧道に出て降りたところに一軒宿の温泉大黒屋
があった。

とりあえず下流へ下がって竿を出したが全くアタリ無し、
お魚さんは居ないのかしらん?と心配になる。
川虫は居るのを確認して釣りあがるが、昼になってしま
った。

ここに居なかったらもー いたいたイワナ

待望の1尾がきたのは昼食後、ここに居なかったら止め
て帰ろうと思った堰堤下での一投目に掛かった。
七寸強だが良く肥えたイワナが嬉しい、諦めかけたとこ
ろだからとにかく嬉しかった。

そこから少し登ると大物が居そうな渓相にわくわくするが
アタリは無く、大きな堰堤を越えると緩やかな流れになる


          大岩の下に大岩魚?

上を急ぎ渓相が良くなると暫くで出会うのが雌(め)滝だ
が均整のとれた素晴らしい滝である、そしてそのすぐ上
流に倍以上の落差で豪快に飛沫を飛ばす雄滝が控えて
いる。

滝までの間に1尾と雄滝の手前で1尾、いずれも七寸サ
イズを釣ってそれで上機嫌だ。
なにしろ居ないかも?と諦めかけたのだから、考えような
のですよね。
(翌年は雄滝の壺でイワナ2匹が釣れた)

  
          雌滝 

  
           雄滝

帰りは雌滝から道路まで40分位、ブナが茂った明るく気
分の良い渓流だ。大黒屋の温泉に浸かってから帰ったせ
いか、とても印象の良い心和む釣り旅でした。

ある時、TV番組で女優二人が地元の人(?)の案内で雌
滝を目指していた。それによると道路から雌滝まで険しい
道を約二時間?*?、やっとたどり着いた、と。
実際は女性でも1時間弱のはずなのに。。

      オール七寸サイズ

さらに気になったのは旅の紀行番組にもかかわらず、そ
この温泉には何一つ触れずに終わってしまった事。
なんで・か!?。

白河からの289号線は新甲子から幾つかのトンネル を
削りながら真っ直ぐに伸びているが、奥甲子でブッツリ
途切れている。
その様子からこの新道は、始めから会津へ抜ける予定
で作られた事がわかる。
日記の中でも触れているが、奥甲子の温泉「大黒屋」で
は白河高原「最奥の温泉」をうたっており、それを守るた
めに会津への開通工事を反対していた。

今年2001年に会津側の観音川での大規模な林道工事
を確認、その後に行った奥甲子では本流をまたぐ橋の
工事が始まっていた。
 
  これはデジカメ、他はアナ亀の紙焼をデジカメ

道路の利便とは裏腹に観音川の岩魚はほとんど見込み
が無くなったと思われ、渓流ファンとしては温泉旅館と一
緒に「開通反対」を願っていたのだが。


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